
1・3塁での1塁ランナーの盗塁がフリーパス状態だけど、どう対応したらいいんだろう

キャッチャーの肩が弱い場合は、盗塁を刺すのは諦めた方がいいのかな
1・3塁で1塁ランナーに盗塁されたとき、対応に悩むチームは多いです。
とりあえず3塁に投げる、2塁に偽投するなどなんとなく対応して、盗塁をアウトにしようとしないチームが多いのではないでしょうか。
たしかに、盗塁をアウトにしようとする場合、失点のリスクも高くなります。
しかし、正しい対応手順と守備連携を整理して練習しておけば、リスクを抑えながら1塁ランナーをアウトにする確率を上げることができます。
そこでこの記事では、1・3塁で1塁ランナーの盗塁を対策する重要性を踏まえ、具体的な守備パターンとポイントを分かりやすく解説します。
1・3塁の盗塁を対策する重要性

まずはじめに、1・3塁の盗塁を対策する重要性について解説します。
1・3塁の盗塁を対策する重要性は以下2点です。
- 盗塁をアウトにした場合の影響が大きい
- 攻撃側も十分に準備できていない
それぞれ解説します。
盗塁をアウトにする影響の大きさ
結論から言うと、1・3塁での盗塁アウトはとても影響が大きいです。
例えば、1アウト1・3塁の得点期待値は1.17点です。
これが1塁ランナーの盗塁がアウトの場合とセーフの場合で以下のように変わります。
- アウト:2アウト3塁(0.35点)
- セーフ:1アウト2・3塁(1.32点)
得点期待値とは簡単に言うと、アウトカウント・ランナーの状況から、そのイニングが終了するまでに入る点数の平均値のことを意味します。
(値引用元:ESSENCE OF BASEBALL)
つまり、1アウト1・3塁の得点期待値は1.17点のため、統計的にはそのイニングで1点は失点するということです。
これが盗塁をアウトにした場合、得点期待値は0.35点になり1/3以下まで下がります。
言い換えると、失点がほぼ確実の場面を脱却するビッグプレーになります。
また、1・3塁での1塁ランナーの盗塁は、通常の盗塁よりも成功率が格段に上がります。
逆の見方をすると、アウトになった場合の攻撃側の心理的なダメージは大きいです。
一方で守備側にとってはビッグプレーとなり、後続の打者を打ち取り無失点に抑えた場合、次の攻撃にいい流れを持ち込めるというメリットがあります。
ちなみに統計学では「流れ」の存在が否定されがちですが、筆者は否定できないと考えています。
筆者の考えは以下の記事に記載していますので、興味がある方はぜひご一読ください。
このように1・3塁での盗塁アウトは確率的にも心理的にも影響が大きいため、対策する必要性が十分にあることがわかります。
攻撃側の準備不足を突く
1・3塁での盗塁は守備側の難易度が高いプレーですが、実は攻撃側にとっても難易度が高いです。
仮にキャッチャーが2塁に送球した場合、3塁ランナーは送球の軌道や野手の動きでスタートの判断をする必要があります。
しかし、攻撃側もこの判断は難しく、しっかりと練習していなければスタートは切れません。
その結果、3塁ランナーはスタートを切れず、1塁ランナーがアウトになるだけというケースもすくなくありません。
つまり、守備側が正しい対策と準備をしておくだけで、アウトを取れる確率は一気に高まります。
先述の通り、アウトにした場合のリターンが大きく、準備次第でアウトにできる確率が高くなるプレーのため、対策する価値は非常に高いです。
- 盗塁をアウトにすることで、得点期待値を1/3以下に下げられる
- 試合の流れを変えるビッグプレーになる
- 対策することでアウトにできる確率は大きく上がる
1・3塁の盗塁対策の基本

具体的な対策を紹介する前に、1・3塁の盗塁を対策するための基本を2つ紹介します。
2塁送球のカットに入るのはセカンド
1つ目は、2塁送球のカットはセカンドが入るということです。
理由は、3塁ランナーの動きが見えるからです。

キャッチャーが2塁に投げた瞬間に3塁ランナーが走った場合、送球をカットしてホームに送球します。
そのため、3塁ランナーが走ったかどうかを把握する必要があり、方向的にセカンドのほうが3塁ランナーを見やすいことから、カットに入るのはセカンドである必要があります。
2塁送球はカットが捕れる高さ
2つ目は、キャッチャーはカットが捕れる高さで2塁送球をするということです。
先述の通り、3塁ランナーがホームに突っ込んできた場合、送球をカットしてホームに送球します。
そのため、カットが捕れる高さで送球することが、1・3塁の盗塁対策をする上で絶対条件となります。
もちろんノーバウンドである必要はありません。
キャッチャーの2塁送球の軌道でスタートの判断をする3塁走者も多いため、カットが捕れる高さを徹底しましょう。
- 2塁送球のカットに入るのはセカンド
- キャッチャーはカットが捕れる高さで2塁送球を行う
盗塁の対策方法(入門編・上級編)

1・3塁の盗塁を対策するための具体的な方法を解説します。
チームの熟練度に合わせて実践できるよう入門編と上級編の対策を用意しました。
入門編の対策でも十分に効果を発揮しますので、自チームのレベルに合った対策を取り入れてみてください。
【入門編】あらかじめセカンドの対応を決める
入門編の対応は、セカンドのカットするかスルーするかをあらかじめ決めておく方法です。
本来であれば、その場で判断する必要がありますが、事前に対応を決めておくことで選手の迷いをなくし、対応しやすくします。
カット or スルーの判断基準
カットするかスルーするかの指定は、以下のようにキャッチャーが試合状況を踏まえて判断します。
- スルー(1塁ランナーのアウトを狙う)
1失点OKの場面や、流れを変えるビックプレーが欲しい時など - カット(3塁ランナーの本塁生還を防ぐ)
2アウトや下位打線のため打者で勝負したい場面や、試合序盤で攻めたプレーが不要な時など


初級編のポイント
初級編での対応のポイントは「割り切り」と「フェイク」です。
このプレーでは以下のように割り切ることが重要です。
- スルーする場合:1塁ランナーの盗塁を確実にアウトにする
- カットする場合:3塁ランナーを絶対にホームへ還させない
また、スルーする際のコツはセカンドがカットするフェイクを入れることです。
3塁ランナーはセカンドのカット/スルーの動作を見てスタートを切ることが多いため、このフェイクが非常に有効に機能します。
【上級編】セカンドが3塁ランナーの動きを見て判断する
上級編の対応方法は、セカンドが3塁ランナーの動きを見てカットかスルーかをその場で判断する方法です。
上級編のメリット
入門編では対応をあらかじめ決めるため、「3塁ランナーが走ってもスルーする」「3塁ランナーが走ってないのにカットする」といったことも発生します。
それに対して上級編では、相手の動きを見て判断します。
また、セカンドがスルーした後に3塁ランナーがホームを狙ったとしても、ショートのバックホームで十分間に合います。つまり、失点は防ぎつつアウトも狙える対応方法となります。
デメリットとリスク
一方で上級者編には以下のようなデメリットも存在します。
- ミスの確率が高くなる
相手の動きに応じて判断を変えるため、あらかじめ動きが決まっている入門編と比べてミスが起きやすくなる - 相手のフェイクに引っかかる
入門編ではこちらがフェイクを入れるが、相手の動きに応じる上級編では、3塁ランナーの「走るフリ」に引っかかり、ミスが発生するリスクがある
上級編のポイント
上級編での対応のポイントは「意識づけ」です。
上級編で起こりがちな最悪のミスは、「カットされると思い込んでいたショートが、スルーされたときにボールを弾いてしまうこと」です。
これだと盗塁もアウトにできず、3塁ランナーも生還してしまいます。
これを防ぐために、ショートとキャッチャーは以下の意識を徹底する必要があります。
- ショート:常に「スルーされるもの」と思って準備して待つ
- キャッチャー:常にアウトにするつもりで送球する
まとめ
1・3塁での盗塁の対策方法を解説しました。
本記事で解説した内容をまとめると以下の通りです。
- 1・3塁の盗塁対策は対策がしやすく、効果が大きい
- あらかじめセカンドの対応を決めることでミスを減らせる
- セカンドが3塁ランナーの動きを見て判断することで、リスクは高まるが適切な対応が可能になる
なんとなくでやり過ごしがちな1・3塁の盗塁ですが、しっかり対策することでアウトにできる確率は高くなります。
また、アウトにした時のリターンも大きく、チームの武器になりうるプレーですので、ぜひ対策に取り組んでみてください。


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