2024年の千葉県秋季高等学校野球大会を観戦して、印象に残った公立校を紹介します。
高校で野球をやりたいと思っている中学生の進学先選びの参考になれば幸いです。
また、こちらの記事では去年の注目公立校を紹介しています。興味がある方はぜひご一読ください。
※この記事の内容は、筆者が観戦した感想と雑誌やネットの記事を参考にしています。実際にインタビューしたわけではないため、多少の誤りはご容赦ください。
船橋東高校
- 直近5年夏大会最高成績:2019年 ベスト16
- 偏差値:67(参考:みんなの高校情報)
- 選手数:19人
秋戦績
予選
〇 2ー1西武台千葉(予選1回戦)
〇 6-5長狭(代表決定戦)
本戦
● 1ー6流経大柏(2回戦)
秋大会
予選では、私立の中堅校である西武台千葉に対して、1点差のゲームを制しました。また、好投手を擁する長狭高校から6点を奪い、こちらも1点差のゲームを制して予選を突破します。
本戦の流経大柏戦では、終盤にエラーも絡み6失点で敗戦。打線も最終回につながりを見せ1点取りましたが、なかなか突破口を見出せませんでした。
私立校に勝利し自信をつけた一方で、敗戦で壁にぶつかる結果となった大会でした。秋時点でどちらも経験できたのは大きなアドバンテージになるはずです。冬を越えてどのように成長するのか、非常に楽しみです。
チーム情報
今年の船橋東の特徴は、チームの総合力の高さです。
打線は1番から9番まで切れ目なく、守備力も全体的に高い印象。投手陣も稲田と小山の試合を作れるレベルの高い投手が2人います。
今年の公立校では、袖ヶ浦や成東、君津商業もチームの総合力が高いですが、船橋東が最も高い印象です。
その中でも印象的だったのは、二遊間の守備力の高さです。ショート石田とセカンド高橋の守備は、公立校ではトップクラスです。
特に石田は球際も強く、強肩でスローイングも安定しています。キャプテンでもあるため、チームに良い影響を与えていることでしょう。
以下は夏大会の映像です。2年生で出場している選手も何名かいます。是非参考にしてみてください。
船橋啓明高校
- 直近5年夏大会最高成績:2022年 3回戦進出
- 偏差値:53(参考:みんなの高校情報)
- 選手数:22人
秋戦績
予選
〇 5ー3暁星国際(予選1回戦)
● 3-4東海大市原望洋(代表決定戦)
〇 7ー0実籾(敗者復活戦1回戦)7回コールド
〇 10ー3東金(敗者復活戦2回戦)7回コールド
〇 11ー1流山(代表決定戦)7回コールド
本戦
● 0ー7拓大紅陵(1回戦)7回コールド
秋大会
予選では私立強豪校との試合が続き、暁星国際には勝利するも東海大市原望洋に惜敗しました。しかし、敗者復活戦では投打が噛み合い、全試合コールド勝ちで本戦出場を果たします。
本戦では、今大会準優勝の拓大紅陵に対して6回に一挙7失点し、コールド負けを喫しました。
1大会で6試合と多く試合することができ、その中でも私立強豪校と試合した経験は大きな収穫になったと思います。
チーム情報
船橋啓明の特徴は、投手力の高さです。
サイドハンドのエース窪田をはじめ、タイプの異なる投手が複数いますが、いずれもレベルの高い投手です。投手陣の総合力は公立校ではトップでしょう。
拓大紅陵には後半捉えられましたが、5回まで1安打無失点に抑えました。習志野に対して5回コールド勝ちした拓大紅陵の打撃力の高さを考慮すると、投手力は高いと感じます。
下級生ながら今大会に登板した前田と菅原は、しなやかなフォームが印象的でした。冬を超えて来年、再来年にどのような投手になっているか楽しみです。
また、ノッカーが両打ちだったことも印象的でした。左右で打ち分けるノックへの意識の高さは、守備力の向上に繋がるはずです。
攻撃に関しては、バントや盗塁、エンドランを絡めるなど、1点をもぎ取りに行く姿勢が感じられる采配でした。ただ、バントやエンドランの精度が低い印象があるため、そこが課題だと感じます。
投手力、守備力は私立強豪校に十分通用するチームです。そのため、攻撃面で監督の采配と選手のプレーがハマり、点を取れるようになれば上位進出の可能性が高いチームです。
長狭高校
- 直近5年夏大会最高成績:2023年 3回戦進出
- 偏差値:48(参考:みんなの高校情報)
- 選手数:14人
秋戦績
予選
〇 2ー1実籾(予選1回戦)
〇 1ー0中央学院(予選2回戦)延長11回
● 5-6船橋東(代表決定戦)
〇 11ー1薬園台(敗者復活戦1回戦)5回コールド
〇 11ー4安房拓心(敗者復活戦2回戦)7回コールド
〇 2ー1光英VERITAS(代表決定戦)
本戦
〇 4ー1我孫子(1回戦)
● 0ー3千葉英和(2回戦)
秋大会
予選で昨春の選抜ベスト4の中央学院、敗者復活戦では光英VERITASと私立強豪校を破り本戦に出場しました。いずれもロースコアの1点差ゲームを制し、チームの守備力の高さが伺えます。
本戦では古豪の我孫子を破り2回戦に進出しますが、千葉英和に完封負けを喫し、ベスト16入りとはなりませんでした。
ただ、選手数が14人と少人数ながらも、私立強豪校に対して一歩も引かない戦いぶりは素晴らしかったです。今後の春・夏と非常に楽しみなチームです。
チーム情報
長狭高校の特徴は、絶対的なエースの存在です。
エースの加瀬は前チームからエースナンバーを背負い、経験は豊富です。中央学院を11回無失点、光英VERITASを9回1失点に抑えた結果を見ても、投手としてのレベルの高さが伝わります。
130キロ超えの勢いあるストレートも魅力的ですが、注目ポイントはピンチの場面での投球です。ピンチでも物怖じしない、ギアの上がった投球は素晴らしいです。また、格上の私立強豪校を相手にしてもその投球を貫けるメンタリティは非常に魅力的です。
他にも主将の高橋はミート力が高く、1番打者として良い仕事をしています。こちらも私立強豪校の選手と比較しても引けを取らない選手です。セカンドの守備では堅実なプレーを見せ、ショートの庄司とともに守りの中心選手です。
私立校を破り勝ち進むチームですので、やはり中心選手のレベルは強豪校に引けを取りません。そこで課題となるのは、選手層の薄さです。夏大会を投手1人で勝ち進むのは難しいですし、チーム内の競争がないとチームは強くなりづらいです。
選手層の薄さは長狭高校だけでなく、多くの公立校が抱える課題です。本戦に出場した市立千葉や一宮商業も能力の高い選手がいますが、人数が少ないです。そのため、選手層の薄さをカバーするために、いかに全体の底上げができるかが重要になるでしょう。
ただ、捉え方を変えるとそれらの高校は伸びしろのあるチームです。冬を超えてどのようなチームに成長するのか、非常に楽しみです。
まとめ
今回は2024年の千葉県秋季高等学校野球大会を観戦して、印象に残った公立高校を紹介しました。
高校でも野球を続ける中学生の参考になれば幸いです。
また、当サイトでは技術的な内容を発信しています。興味があればぜひご一読ください。
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