最近野球関連の記事で、K/BBという単語を目にする機会が増えました。
こちらの画像はパ・リーグTVが投稿する投手の個人成績ランキングです。防御率、勝利数、奪三振数といった代表的な指標と並んでK/BBが紹介されています。
ただ、K/BB が注目されている理由を知らない方、そもそもK/BBとは何かわからない方も多いと思います。
そこでこの記事では、K/BBとは何かから注目されている理由、課題まで徹底的に解説します。
K/BBとは
K/BBは「ケービービー」と呼ぶことが多く、Kは奪三振、BBは四死球を意味します。また、評価基準としては3.5を超えると優秀とされています。
K/BB | |
1.山本 由伸 | 6.04 |
2.加藤 貴之 | 5.19 |
3.宮城 大弥 | 3.94 |
4.伊藤 大海 | 3.27 |
5.上沢 直之 | 3.02 |
2023年のパ・リーグ投手(規定投球回以上)のK/BB上位5人です。
そしてK/BBの求め方は、分子が奪三振数、分母が四死球数の表記の通りです。
K/BB = K(奪三振数) ÷ BB(四死球数)
つまり、K/BBは四死球数1個あたりの奪三振数を示す指標です。
K/BB 注目されている理由
次にK/BBが注目されている理由について解説します。
K/BBが注目されている理由は、他の要素の影響を排除して投手の力量を測れるからです。
例えば、勝利数は投手の力量以外に、自チームの攻撃力やリリーフ陣の能力が大きく影響します。
良いピッチングをしても味方が点を取れない、リリーフ陣が打たれて追いつかれると勝ちは付きません。逆に悪いピッチングをしても味方が大量得点をする、リリーフ陣がリードを守ると勝ちが付きます。
このように勝利数では、投手の力量以外の要素が大きく影響します。
では防御率はどうでしょうか。
防御率は9イニングあたりの失点数です。そのため、自チームの攻撃力やリリーフ陣の能力は影響しません。
しかし、防御率には野手の守備力が影響します。野手の守備力が高ければ、ヒット性の当たりもアウトにしてくれます。そのため、必然的に防御率は低くなります。
また、防御率はポテンヒットなど運の要素も影響すると考えられています。そのため、防御率も投手の力量以外の要素が影響していると言えるでしょう。
一方で、奪三振数は投手の力量以外の要素の影響がありません。(強いて言えば捕手のキャッチングが影響する可能性がありますが、ほとんど影響はありません。)ただ、奪三振数が多くても、同様に四死球数も多いと評価しづらいです。
そこで考案されたのが「K/BB」です。四死球数に対する奪三振数の比率ですので、ストライクゾーンで勝負できる度合いとみることができます。
奪三振数と四死球数は、どちらも投手の力量以外の要素の影響を受けません。また、年度による変動もあまりないため、投手のポテンシャルを示す指標だと考えられています。
以上がK/BBが注目されている理由です。
K/BB 欠点
注目されているK/BBですが、もちろん欠点もあります。
それは、奪三振数と四死球数にしか注目していない点です。それが K/BB の特徴であり、奪三振数と四死球数に注目することで、他の要素の影響を排除して投手の力量を測れます。
しかし、奪三振数と四死球数のみと限定的であり、失点数や被打率は反映されません。そのため、投手の力量を測るための参考の1つにすぎないということです。
また、防御率には野手の守備力が影響すると先述しました。そのため、中学・高校野球などチームごとに野手の守備力が大きく異なる場合は、K/BB は非常に参考になる指標だと思います。
ただ、プロ野球ではチームごとに野手の守備力が大きく異なるということはありません。そのため、プロ野球においては K/BB よりも、防御率が最適であると筆者は考えます。
K/BB まとめ
今回の内容をまとめると以下のようになります。
K/BB まとめ
- 四死球数1個あたりの奪三振数を示す指標
- 他の要素の影響を排除して投手の力量を測れる
- 奪三振数と四死球数しか注目していないことが欠点にもなる
セイバーメトリクスにより、データに基づいた戦術が主流になってきています。
それらのデータについて知ることで、さらに野球が面白くなるので、ぜひ調べてみてください。
このブログでは他にも、UZRやOPSについて解説しています。興味がある方は是非ご一読ください。
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