「セカンド送球のタイムが上がらない」
「肩が弱いから盗塁が刺せない」
こんな悩みを抱えている方はいませんか?
実は、盗塁を阻止するために最も重要なのは、肩の強さ(球速)ではありません。
重要なのは「コントロール」と「崩れた体勢での送球技術」です。
セカンド送球はコントロールを改善するだけで、タイムを約0.5秒も短縮できます。
この記事では、高校まで10年間キャッチャーとしてプレーした筆者が、盗塁阻止率を劇的に上げる「コントロールの重要性」と、実戦で役立つ「崩れた体勢からの練習法」を詳しく解説します。
コントロールが重要な理由

0.5秒の差が生まれる捕球位置とタッチのタイムロス
まずは、コントロールが重要な理由について解説します。コントロールが重要な理由は、単純にセカンド送球のタイムに大きく影響を与えるからです。

上の画像は、野手のセカンド送球の捕球体勢を表し、赤点は捕球位置を示しています。
ほんの少しのずれですが、野手も動きながら捕球するため、Bの捕球位置ではAの捕球位置よりも約0.5秒タッチに時間がかかります。
球速130km/hよりコントロールが勝る科学的根拠
ちなみに、本塁から2塁までの到達時間は
100km/hの球で約1.39秒
130km/hの球で約1.07秒
つまり肩を強くして、送球を100km/hから130km/hにしても到達時間は約0.3秒しか縮まりません。
それよりも、セカンド送球のコントロールを磨くことがセカンド送球のタイムを縮めることにつながります。
コントロールが重要な理由のまとめ
コントロールが重要な理由をまとめると、以下の表のようになります。

盗塁阻止率を高める「平均タイム」の考え方

ベストタイムよりも平均タイムが重要な理由
次に、セカンド送球においてベストタイムよりも平均タイムが重要な理由を解説します。
次のようなタイプが違うキャッチャーが2人いたらどちらが良いでしょうか。
A.20%の確率で1.8秒、80%の確率で2.2秒の送球をするキャッチャー
B.必ず2.0秒で送球をするキャッチャー
筆者はBのキャッチャーの方が良いと考えます。
俊足ランナーの完璧な盗塁を刺せるのはAのキャッチャーです。しかし、中学・高校野球において完璧な盗塁は多くありません。
エンドランで打者が空振りした時やランナーのスタートが遅れる時もあります。その場合に高確率で刺せるのはBのキャッチャーです。
完璧な盗塁を稀に刺せるキャッチャーより、ある程度の盗塁は必ず刺せるキャッチャーの方が盗塁阻止率が高いのは明らかです。
リードに集中するための崩れた体勢での送球技術
崩れた体勢での送球技術は平均タイムを上げるうえで重要ですが、メリットがもう一つあります。
それはリードとセカンド送球を分けて考えられる点です。
崩れた体勢での送球技術が高いキャッチャーは捕球体勢に関わらずスローイングできるため、バッターに集中してリードを組み立てられます。
しかし、その技術が低いキャッチャーはどうしてもランナーを意識したうえでのリード(ストレート、ショートバウンドしにくい球が多くなる)になってしまいます。
つまり、バッターに集中したリードをしたうえで盗塁を刺すために、崩れた体勢での送球技術が重要ということです。
キャッチャーの仕事は盗塁をアウトにすることではなく、”チームを勝たせること”です。そのために崩れた体勢での送球技術を高め、ベストタイムではなく平均タイムを意識しましょう。
平均タイムを上げる練習方法

縫い目に影響されない握り変えの習慣化
セカンド送球のタイムを縮めるには、先述の通りコントロールを良くすることが効果的です。
そして、コントロールを良くするために重要なことは、指がボールの縫い目にかからなくても投げられることです。
軟式球(M号球、J号球)はくぼみがあるため、縫い目に指がかからなくても比較的投げやすいです。しかし、硬式球の場合(特に試合球)は縫い目にかからない時は投げづらいです。
キャッチボールでは指を縫い目にしっかりかけて投げる選手も多いと思います。
しかし、普段のキャッチボールで指が縫い目にかからない状態、人差し指だけ縫い目にかかっている状態などを想定することで、実戦でのコントロールが向上します。
崩れた体勢から投げる練習
つぎに、崩れた体勢から投げる練習を紹介します。
セカンド送球の練習を「近い距離から投げてもらい、捕って投げる」というように行っている方は多いと思います。
フォームを定着させる、コントロールを良くする目的の反復練習であれば、この練習方法が最適です。
しかし崩れた体勢での送球技術を良くするためには、ショートバウンドした時とミット側にそれた時の2パターンの反復練習を行うことが重要です。
この反復練習を行うことで崩れた体勢での送球技術が向上し、実戦的なスローイングが身に付きます。
また、実戦的なスローイングを鍛える最も良い機会は、試合中のイニング間のセカンド送球です。
イニング間のセカンド送球をなんとなく行っている選手も多くいると思います。
しかし、実際に投手がマウンドから投げ、実戦に近い状況でセカンド送球を行える貴重な機会のため、意識してセカンド送球を行うようにしましょう。
セカンド送球 まとめ

盗塁を刺すために大事なことは
・コントロール
・崩れた体勢での送球技術
です。
しかし、キャッチャーの最も重要な役割はチームを勝利に導くことです。セカンド送球に固執しすぎず、1つの武器と考えて、チームを勝利に導きましょう。
また、盗塁阻止率が高いキャッチャーの共通点として、捕ってからの速さが挙げられます。以下の記事で、捕ってから速くする練習方法を解説しています。ぜひご一読ください。



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